船旅に理想的な
エレガントカジュアル
ウェブマガジン『FORZA STYLE』の編集長であり、ファッションディレクターの干場義雅さんは、20歳代のはじめからスイスで開催される時計の大規模展示会へ足を運んできた。フランク ミュラーとの出合いもその頃からで、毎年新作が楽しみな時計ブランドのひとつだという。船旅をテーマにした雑誌やラジオに関わっていたことがあり、船旅の達人である干場さんの目に留まったのは、ヨットのラグジュアリー感をイメージしたエレガントなヴァンガード ヨッティングだ。
「船旅には“エレガントカジュアル”というドレスコードが欠かせません。このモデルはグラマラスなフォルムが上品で、それでいて広めに空間をとったダイアルに独特なインデックスを合わせることでカジュアル感を出した、まさにエレガントカジュアルな1本ですね。私はTPOに相手のことや社会性を加味して発展させたTPPOSを念頭に置いて着こなしを考えていますが、船旅のワードローブにもそれを当てはめています。朝、朝食の際には麻のシャツに白のショーツ、昼の寄港地観光では色を使って華やかなスタイルに、夜はジャケットを着用したダークでシックな装いといったように。船旅では一日で何度も着替えることが必要になるのですが、このモデルは1本で多様なシーンにマッチするため、まさに船旅に理想的な時計といえるでしょう」
表層ではなく
中身に目を向ける
ファッションを
エレガントカジュアルというドレスコードに加えて、小物である腕時計は使われている色を意識することでコーディネートは一段とお洒落に見えるという。
「この時計はダイアルにブラック、ホワイト、レッド、そしてケースのシルバー、ストラップのブラックと4色が使われています。これらの色を拾い、コーディネートに取り入れるとまとまりのあるスタイリングに仕上がります。今日は白のリネンシャツに黒のパンツで、時計の目盛りのレッドを差し色としてさりげなく利かした着こなしにしてみました。男のスタイルは色を使いすぎると散漫になって、大事な中身に目が向かなくなってしまいます。小物と服の色を合わせることで色数を減らし、悪目立ちしないように統一感を出すことがコーディネートのコツです。ファッションは表層のものと考える人がいますが、実はこのように知識がないと上手に着こなせないものなのです。それは時計選びも同じだと思います」
ダイアルに刻まれるのは、
幸運へ導く羅針盤
さらに干場さんはダイヤルのセンターに刻まれた羅針盤デザインにも注目する。
「羅針盤は、道に迷わず、望む場所に導いてくれるものを意味するラッキーアイテムです。以前、素敵な女性に運気が上がるということでコンパスをプレゼントしてもらってから、私も大切に持っているんです。モナコに別荘を持ち、自身もヨット好きなフランク ミュラーさんは、“人生とは道のない航海のようなものだ。どこへ行ってもいい”と語っていますが、羅針盤が刻まれたヴァンガード ヨッティングはどんな時も、現在のような困難な時代においても望む方向へと導いてくれるラッキーアイテムになるのかもしれませんね」