FRANCK MULLER

FRANCK MULLER × KATEIGAHO × KAGAWASHITSUGEI

響き合う、和洋の美

FRANCK MULLER × KATEIGAHO × KAGAWASHITSUGEI

息をのむほどに繊細で高度な技術、豊かな色彩、常識にとらわれず、
新しい挑戦を続けるスピリット。

江戸時代から続く日本の伝統工芸「香川漆芸」と、
天才時計師率いるスイスの時計ブランド「フランク ミュラー」に共通する、特筆すべき美点です。
それぞれの分野で究極のものづくりを追求している両者が初めてタッグを組み、
夢のコラボレーションが実現しました。

展示・販売期間

2023年3月1日〜12日

期間限定で、東京・銀座の直営ブティック「フランク ミュラー ウォッチランド東京」にて
展示・販売いたします。

人間国宝が挑んだ
“史上最少”の漆芸作品

フランク ミュラーの傑作モデル「トノウ カーベックス」と「ロングアイランド」の文字盤に、
香川漆芸独自の技法「蒟醤」で加飾を施したのは、人間国宝の山下義人さんと3名の実力ある作家たちです。

腕時計の文字盤への加飾は全員初めての試みで、作家人生で最小の対象物。
作業をさらに難しくしたのは、フランク ミュラーの特徴である文字盤の湾曲と、
仕上がりの厚みを0.75~0.8mmの間に収める精密さを要したことでした。
数々の難題を突破してついに完成を見た6本は、和洋の美が響き合う名作です。

ゆらめく炎のように
心を照らす小さな芸術

山下義人


煌めき(きらめき)

「時計の格にふさわしい重厚感と豪華さを出すために、透明度の高い透き漆と金粉を25回塗り重ねました」と山下さん。ブランドの代名詞であるビザン数字のインデックスは、ゴールドと相性のいい紫。

背景/香川県漆芸研究所修了作品(右下・阿部麻海作、左・中村早也香作)

トノウ カーベックス

メンズモデル
18KPG、ケース50.4×36mm、自動巻き、オーストリッチストラップ

¥3,960,000-(税込)

[ご成約済み]

芸術情熱の赤粋な新橋色。
ゴールドの煌めきを湛えて

山下義人


清流(せいりゅう)あかね

「煌めき」と対になるものとして山下さんが考案、制作。新橋色とは新橋の芸者衆に好まれた鮮やかな青緑色のこと。赤の文字盤にはルビー、新橋色にはサファイアのカボションを合わせた。

背景/香川県漆芸研究所修了作品(渡辺真理作)

トノウ カーベックス

レディースモデル
18KPG、ケース35×25mm、クォーツ、クロコダイルストラップ

¥1,980,000-(税込)

[ご成約済み]

香川漆芸の未来を担う
作家たちの個性あふれる美

瀬戸内の海そのままの
優美な青のグラデーション

藪内江美


一碧(いっぺき)

モチーフは瀬戸内海。「青の顔料に白や緑、紫を混ぜて作った6色で濃淡を出しました」。文字盤に合わせてフランク ミュラーが選んだストラップが見事に調和。インデックスはベージュに近い色で温かみがある。

背景/手毬(讃岐かがり手まり保存会)

トノウ カーベックス

レディースモデル
18KWG、ケース35×25mm、クォーツ、ガルーシャストラップ

¥1,705,000-(税込)

[ご成約済み]

桜色と白の漆が織りなす
愛らしい市松模様

松原弘明

HANNARI(はんなり)

日本らしいものをと考え、古典柄を選んだ松原さん。「桜色の部分は5段階の濃淡をつけていて、中央は薄く、周辺にいくほど濃くなっています」。紫色のストラップが淡い色調の文字盤を引き立てている。

伝統の赤と黒の漆が
独創的な文字盤に

山下亨人

あかつき

「漆の代表色である赤と黒のグラデーションに粒子が粗めの金粉を合わせて、特徴的なインデックスに合うデザインにしました」と亨人さん。赤いストラップと合わせたことでより印象深い一点に。

背景/うちわ(うちわ屋 涼/紙工芸やまだ) 組手障子

ロングアイランド

レディースモデル
18KPG、ケース32.5×23mm、クォーツ、オーストリッチストラップ

¥2,035,000-(税込)

[ご成約済み]

フランク ミュラーと
香川漆芸による
世界初の蒟醬きんまウォッチ

大切な時計を納めるブランドオリジナルのケースは、格調高いウォールナット製。

時計の裏蓋にはフランク ミュラー、香川漆芸、家庭画報の名前と漆の文字が刻まれている。下部には品番とともに一点ものであることを表す「UNIQUE PIECE」の文字。

「腕時計の文字盤を加飾してみたい」。香川漆芸作家で人間国宝の山下義人さんの希望から始まった今回のプロジェクト。白羽の矢が立ったのは、スイス時計のトップブランドの一つ、フランク ミュラーでした。理由は、創業者のフランク ミュラーさんが自邸の建築も庭も日本風にするほど日本の文化や美意識を好み、理解があること。そして、「1991年に来日した際に学んだ漆の技術を時計のエナメル文字盤に応用しています」と自ら話していることでした。

プロジェクトの始動後すぐ、香川に飛んだのは、フランク ミュラーの日本国内のアフターサービスに携わって20年の公認上級時計技師、山中利祐さんです。「先生方に直接お会いして、細かさや色に対する感覚を擦り合わせたかったのです。また、金属に漆を塗った際の強度が心配だったのですが、山下義人先生が『武具に使われていたから大丈夫』と明言してくださり、安心しました」。

手のひらに収まる小ささで、しかもカーブがついている文字盤は、加飾する作家4名とも初めて。特に難しかったのが、規定の厚さに仕上げることでした。作品に用いられた蒟醤は、彫漆、存清とともに「香川の三技法」に数えられる高度な技法。漆を塗り重ねて蒟醤剣で文様を彫り、色漆等を埋め、表面を平らに研いで文様を出します。ひと塗りの厚みを約0.03mmとし、最後の研磨も考慮して何層も塗り重ねていきますが、なかなか計算どおりにはいきません。また、漆はひと塗りごとにひと晩乾かす必要があるため、人間の都合で急ぐことができないという事情もありました。

そうした難題を乗り越えた作家たちが最後に直面したのが、フランク ミュラーのアイコン〝ビザン数字〟をシルクスクリーンを用いて漆で印刷すること。プロジェクト開始当初からの懸念点だったこの工程で中心になったのは、自作にシルクスクリーンを用いている亨人さんです。小さいうえにわずかなずれも許されない文字盤への印刷は困難を極めましたが、専門家の助けを借りて、ブランドが求めるクオリティに辿り着きました。

その後、文字盤はフランク ミュラーの優れた時計師たちの手により、時計として見事に完成。「蒟醤の技法を用いた腕時計は世界で初めてのはずです。使う人に喜んでいただけたら嬉しいですね」と山下義人さん。

日本とスイスの高い技術と美意識が融合した6点は、2023年3月1日にフランク ミュラーの直営ブティックにお目見えします。

人間国宝

山下義人

香川漆芸の世界に入って半世紀超、創作意欲は衰え知らず。蒟醤丸箱「炎」(上)は大好きな焚き火に想を得た作品。創作活動以外に、金刀比羅宮社殿蒔絵天井画復元の監修や、香川県漆芸研究所の主任講師等も務める。日課は柴犬ドンとの散歩。「完成した時計には感動のひと言です。現代的な時計にも合う漆のすごさにも感じ入りました」。

松原弘明

1967年香川県生まれ。香川県漆芸研究所研究生課程を修了。漆芸家北岡省三氏、人間国宝の音丸耕堂氏から香川漆芸三技法の一つ、彫漆を学ぶ。2022年香川県文化芸術選奨受賞。動植物が主題の作品が多く、彫漆食籠「旅路」(上)は海を渡る蝶、アサギマダラにドラマを感じて制作。「時計は想像以上に素晴らしい仕上がりでした」。

藪内江美

1980年奈良県生まれ。大学で漆芸を専攻。香川県漆芸研究所研究員課程を修了後、同研究所に勤めながら作家活動に励む。2013年日本伝統工芸展朝日新聞社賞、14年香川県文化芸術新人賞などを受賞。作品の主題は身近な自然の風景が多く、乾漆蒟醤箱「踏青」(上)は故郷、吉野の山。「時計はストラップの色と質感がぴったりで感激です」。

山下亨人

1983年香川県生まれ。香川県漆芸研究所研究員課程を修了。木工家の宮本修山氏と父、義人さんに師事。2019年日本伝統工芸展初出品初入選。感動したものを主題に現代の漆芸作品の制作に情熱を注ぐ。蒟醤盛器「桜満開」(上)ではお花見で見上げた桜を表現。「時計は自分が欲しいくらい。赤いストラップが合っていて嬉しいです」。

最高峰の時計を生む
スイスの工房

スイスのジュネーブ郊外にあるウォッチランドは、「時計作りのすべてがわかるテーマパーク」を目指してフランク ミュラーがつくった場所。レマン湖を望む城館を改装した本社と工房が並ぶ。

数百個ものパーツを組み立てる時計師。技術と根気が必須だ。

数百個ものパーツを組み立てる時計師。技術と根気が必須だ。

PROFILE

天才時計師

フランク ミュラー

1958年スイス生まれ。時計の修復師から、時計師の道へ。トゥールビヨンをはじめ、30本以上もの世界初の超複雑腕時計を発表。92年自らのブランドを設立。卓越した技術と流麗なフォルム、独創的な文字盤からなる時計で世界を魅了し続けている。

人間国宝

山下義人

1951年香川県生まれ。人間国宝の磯井正美氏に蒟醤を、田口善国氏に蒔絵を学ぶ。日本伝統工芸展等での受賞歴多数。2007年紫綬褒章、21年旭日小綬章受章。13年重要無形文化財「蒟醤」保持者(人間国宝)認定。後進の育成にも情熱を注ぐ日々。

表示価格はすべて税込みです。

撮影/Fumito Shibasaki 〈Donna〉(静物) 本誌・西山 航(香川取材) 鍋島 徳恭(フランク ミュラー ポートレート) 
スタイリング/阿部美恵(静物) 取材・文/清水千佳子 
シルクスクリーン制作協力/竹内康示〈アートプロセス〉 清水弘之〈メッシュ〉

『家庭画報』2023年4月号掲載。この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。

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FRANCK MULLER
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03-3549-1949
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定休日
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2023年3月1日〜12日の期間、
東京・銀座の直営ブティック「フランク ミュラー ウォッチランド東京」にて
展示・販売いたします。