CINTRÉE CURVEX TOURBILLON 30th
トノウ カーベックス トゥールビヨン 30th
トゥールビヨンとは、機械式時計のメカニズムの中でも、特異な存在であり、同時にその 最高峰に位置するモデルで、地球上の重力によって生じる時計精度の狂いを、自ら補正す る特殊な機構を備えています。従来固定された部品であるガンギ車と振り子の役目を担う 天符を、特殊なケージ(籠)の中に収め、それを回転させながら更に固定された歯車を駆動 させ、不均衝を平均化する事で、その精度を高める原理の装置です。
今から約 200 年前、置き時計から懐中時計へと移行した時代、姿勢差による誤差を安定さ せる為に開発された当時画期的なシステムでしたが、その並外れた繊細さと複雑さから、 極めて高度な技術を持った一部の時計師以外、これを製作する事が出来なかった為、一般 に普及するまでには至りませんでした。
そして 1986 年、当時若干 28 歳のフランク ミュラーは、腕時計のトゥールビヨンの製作に 成功しました。そのトゥールビヨンは懐中時計のムーブメントよりもはるかに小さく、す べて極小のパーツによって構成され、より高度な技術を要求されながらも、動きの激しい 腕に付けても故障が少ない画期的なフリーオシレーション(自由振動)システムという独自 の機構を開発しました。この発明によってフランク ミュラーは"ブレゲの再来"や"若き天才 時計師"と称され、いちやくその名前が時計界で知られるようになったのです。
【 IMPERIAL TOURBILLON 】
「Imperial Tourbillon」と名付けられたそのモデルは、かつて、アジアの王侯貴族が懐中時計のトゥールビヨンを所有するも、その複雑さとデリケートな機構が故、よく故障を起こしたことから、『この時計には悪魔が憑いている』と不吉な時計だと嫌ったという言い伝えがありました。その逸話にヒントを得たフランクミュラーがこのトゥールビヨン"を作りました。当然のことながら故障が少ないトゥールビヨンを開発する技術は、そもそもフランクミュラーの真骨頂でもありますが、このモデルでは、トゥールビヨンの天符(テンプ)を納める Cage(籠)を、鋭利な剣に模し、それを常時回転させることで、内部に侵入しようとする邪気から天符を守る役割としたのです。これは同時に時計の心臓部である天符を人の"生命"にたとえ、この時計を持つオーナーに降りかかるべく災いから救われるようにと、元来の精度を追求する為の装置に留まらずいわゆる"魔除け"や"お守り"といった物として、そのメカニズムの在り方に精神哲学をもたらせています。
【New Blade Design】
~邪気を振り祓う強力な“PENDULUM”~
新作のこのモデルでは、ケージのブレードデザインが新しくなっています。インペリアルトゥールビヨンでは回転する 3 本の鋭い剣が特徴でしたが、今作のトゥールビヨンでは、3 本の内のひとつが大斧のような形状に変更されています。これは“ペンデュラム”とよばれる中世にあった振り子式の罠を模してデザインされており、この“ペンデュラム”によって、悪魔の侵入がさらに困難となり、切り祓う力がより強固になるように改良されています。つまり魔除けの力をアップグレードさせたのです。同時にこの大剣自身が秒針の役割も担っています。
【Vieux Panier Guilloche Dial】
~ダイアルに施されたパニエギョウシェ~
Guilloche :“ギョウシェ”とは、ダイアル上の仕上げのひとつで、細かい幾何学的なパターンを彫刻する仕上げを指しています。金属表面を刻む専用の機械を使い、連続した複雑なパターンを作り出し、反射光による効果や洗練された装飾を作り出しています。また透明な層の下に金属の地模様が透けて見える仕上げは、ギョウシェエナメルと呼ばれ、革命前の18世紀フランスでは王侯貴族がこぞって好み、この時代に多くの技術やデザインが開発されました。
インペリアル トゥールビヨンと同様、今作にも描かれているギョウシェ パターンは、「Vieux Panier」(ヴュー・パニエ)ギョウシェとよばれるもので、パニエとは、“編み細工の籠”という意味です。このギョウシェはフランク ミュラーによって特別な意味が込められています。古来は日本でも竹籠が玄関先に魔除けとしてかけられ、災いから護るという意味があり、縦と横の網目で空間を閉じた模様が、厄災を寄せ付けず邪気を祓うという意味が込められていたとされています。また、“籠柄”はその文字のごとく龍の鱗のように見えることから、西洋から見たオリエンタリズムの象徴でもあります。
そして、トゥールビヨンのケージ (籠)とパニエギョウシェの“籠柄”を合わせて比喩表現をしたダブルミーニングとなっています。
東洋の古典を熟知しているフランクミュラーは、縁起・文様由来を自らの作品に取り入れ、トゥールビヨンという究極のメカニズムにまたあらたな意味を齎せています。
MOVEMENT CALIBER:FM2050
数あるコンプリケーションムーブメントの中でもトゥールビヨンムーブメント(キャリバー:FM2001-2)をさらに小型化し、世界最小をテーマに掲げながらも、さらにツインバレル方式によって約80時間のロングパワーリザーブを実現しています。
自社製巻き上げヒゲゼンマイ
ヒゲゼンマイは専門の製造会社から供給を受けているメーカーが9割以上です。つまり、巻き上げヒゲを採用している時計メーカーでもヒゲゼンマイを専門メーカーからの供給を受けていれば、その形状を作るのもその専門メーカーとなります。したがって、ヒゲゼンマイを製造から成形まで行うブランドは稀な存在と言えます。巻き上げヒゲはバネの伸縮による重心移動が平ヒゲと比較すると非常に少なく、姿勢変化による精度誤差が少ないことも特徴です。
フリースプラング方式のタイミングスクリューによる調速システム
緩急針なし。等時性に優れ、外的要因による精度変化が少ない。緩急針による調整より専門的な知識と高度な技術を必要とします。テン輪に取り付けられた4つのタイミングスクリューには、比重が重たい18Kホワイトゴールド素材が用いられ、これを出し入れすることで高精度な精度調整を可能としています。
軽量化
エレクトロフォーム製法により主要構成パーツのガンギ車とアンクルを作ることでトゥールビヨン機構部の軽量化を図っています。製造方法の特徴を活かし、素材を可能な限りくり抜いた形状にしています。電気的な加工製法。半導体等の極小・高精密な世界で使用されていた技術を時計の部品製造に応用しています。
CASE MATERIAL
18Kホワイトゴールド
CASE SIZE
2851
30.00 x 45.00mm