フランク ミュラーは、複雑な機構を小さな腕時計に搭載し、天才時計師との名声を欲しいままにしてきました。しかし、彼の天賦の才は、広く、深く、思考の振れ幅を往来します。思い切ったアイディアにより、自由な時を発想し、ルールに捕らわれない、斬新な『時の哲学』を打ち立てるのです。フランク ミュラーは、腕時計を、時を知るための道具から解放し、時を遊び尽くすための道具として創造し、自由な時を満喫させてくれます。
強い生命力とともに、一枚革で覆われたクロコダイルの迫力を再現した、クロコです。ケースから文字盤まで、すべてにクロコダイルの竹符模様が彫刻され、まるで腕時計そのものがクロコダイル ストラップの延長であるかのように錯覚させます。しかも、竹符模様が腕時計のすべての部分で正確につながるよう、3次元フォルムの部分まで、手作業で合わせ込まれ、丁寧につくり込まれています。美しい輝きのステンレススティールによるアイアン クロコから、ブラックPVD仕上げのステンレススティールによるブラック クロコ、18Kピンクゴールドのゴールド クロコなどまで、用意しています。
大胆、かつ迫力に溢れた、クロコ コレクション。フランク ミュラー自身の遊び心から発想した、『時の哲学』らしい感性の振れ幅を感じさせます。
若い頃から、走り込むタイプであった。ときどき、無理をしてしまう年頃だったが、モーターサイクルに跨がったときだけは、正統派の走り屋を自負していた。当時のモーターサイクル シーンをご存じない向きには、暴走、としか思えないだろうが。ひたすらコーナーを求め、ロングツーリングにも挑戦し、気分によっては目的もなく街中を流していた。時には群れることも厭わなかったが、好きにはなれなかった。
跨がっていたのは、小刻みに振動する2気筒。異常に重い鉄の塊のようなモーターサイクルで、前後輪とも小径のドラムブレーキ。濡れた路面を踏んで転んだときなど、後続が到着するまで起こすこともできないほどだ。それでも、10年ほど乗り続けたのには理由があった。手首のクロコとの相性が、ことのほか絶妙だったからだ。