The Time with FRANCK MULLER
Illustration by Hiroyuki Mabuchi
The Time with FRANCK MULLER

遊び心とともに、心地良い時が刻まれる。
CHRONOGRAPH

「時間は、人間が創り出した便宜上の概念です。ところが、人間は、自らが創りだした便宜上の概念に支配されてしまったのです。時間は、本来、自由なものです。いつの間にか人々を支配してしまった時間から、解放することも、私に課せられた大切な役目だと考えています。“自分だけの時間”を創造することは、私の永遠のテーマでもあります」。フランク ミュラーは、複雑時計の魔術師と呼ばれ、天才時計師の名声を欲しいままにし、独自の『時の哲学』を語ってくれます。彼の天賦の才は、また、想像を超えたアイディアによって、彼らしい遊び心から発想する心地良い時を提供してくれるのです。

自動車好きには、なぜか腕時計愛好家が多い、というのも頷ける話しです。しかも、スポーツ系モデルを好みます。なかでも、クロノグラフは、計測機能という精緻な機構を装備しているせいもあり、メカニカルなスタイルや表情に惹かれてしまうのです。さらに、自動車や航空機の計器のように、視認性や使用感を追求した文字盤など、機能的な魅力にも溢れています。フランク ミュラーらしいクロノグラフのメカニカルな風貌は、繊細な輝きさえ放っています。

精緻なメカニズム、卓越した美意識に溢れた、クロノグラフ。フランク ミュラー自身の遊び心をプラスした、『時の哲学』の真髄を感じさせます。

FRANCK MULLER Life Style
Life Style
Life Style

クロノグラフには、正しい愛し方がある。クロノグラフの正しい愛し方とは、徹底して使い込みながら、かつ丁寧に扱うことである。もちろん、機械式クロノグラフに限った話だが、メカニカルな機構に徹した、旧い自動車やモーターサイクルと何ら変わるものではない。タイム計測の際には、機械式メカニズムの感触を確かめながらプッシュボタンを扱う。計測を開始したら、各種の積算計をキチンと活用する。もちろん、タキメーターが装備されていたら、平均速度の割り出しに役立てなければいけない。

だから、ちょっと旧い年式の欧州系の自動車やモーターサイクルの愛好家には、何ら難しいことではない。超小型のスポーティな車輌を手首にはめ、クラッチ付きのミッションなど、すべてをマニュアル操作でハンドリングしていると思えば良いのである。

Text by Motoki Shimizu / Photo by Masaru Suzuki

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