初夏を、少しずつだが、感じる。海と空の色や、風が、陽射しを受け止めながら、初夏に近づいているためだろう。打ち寄せる波の音も、初夏を運んでくるせいか、テンポが良く、軽やかなリズムを刻む。デッキの下に広がるビーチでは、もう、Tシャツとショーツの組み合わせが目立つ。
海の間際に建つ家は、広いデッキが心地良い。海は、南西の方角に展開しているから、朝から夕方まで、太陽とともに過ごしていくことになる。だから、一日中、飽きることなく、海と空と、ビーチを眺めていることもできる。大舞台で演じられる自然と自然の駆け引きは、見事である。
海を独り占めできてしまう家は、マリーナに続く道筋を辿ると、トンネルの脇に現れる。呼び鈴を押すまでもなく、彼女が、大きくドアを開いてくれた。天気予報で、気温の上昇を聞くと、彼女の笑顔と、このデッキが恋しくなってしまう。デッキへと続く、大きなガラス窓のリビングダイニングには、すでに、冷えたワインと冷たい前菜が待っていてくれた。
週末は、駆け足で、アッという間に駆け抜けていく。けれど、時々、ワインと料理の組み合わせが時間を引き留めてくれる。もちろん、目の前の自然も、絶好の味付けを添える。グラスを重ね、お皿を引き寄せる合間、合間に、尽きぬ会話が弾んでいく。そして、フワッと海風が横切る。
グラスを握る彼女たちの手首には、二人とも、HEART to HEART/ハート トゥ ハートがある。文字盤のどこかには、1つだけ、真っ赤なハートを象徴的に表現。ハートをモチーフとして創作したコレクションには、ロマンチックな世界感があり、そこに華やかなアールデコが折り重なる。
HEART to HEARTは、象徴的なトノウ カーベックスの美点を受け継ぎながら進化させた、女性のための腕時計である。3時と9時位置の両サイドに、ふっくらと膨らみをもたせたケース形状は、クラシックなフォルムに柔らかな温もりまで感じさせている。もう、お気づきだろうか。フランク ミュラーが情熱を込めたHEART to HEARTには、【Heart 情熱】という言葉のなかに【Artアート】という言葉を含ませ、つねに美しいデザインの腕時計を手掛けていきたい、という強い意志をも表している。
フランク ミュラーには、彼自信が、デザイン ウォッチと呼んでいるコレクションがあります。とてもフランク ミュラーらしい、お馴染みとなったモデルによるラインナップが揃えられ、複雑時計とは異なり、一般の腕時計愛好家が、普通に手に入れることのできるコレクションです。腕時計としての機能こそシンプルですが、ユニークなアイディアを大切にしながら発想し、全体のテイストや色使い、また、インデックスのデザイン的な面白さなど、ここでも斬新な感覚を追求しています。
あるとき、マンハッタンに滞在していたフランク ミュラーは、ロングアイランドで開催される自身の展示会に出席するため、大きくて旧い橋を通過しました。そのとき、旧い橋のデザインや構造からは、100年以上前、20世紀初頭に築かれた橋ではないか、という印象を受けたのです。
「ニューヨーク、ニューヨーク然としている喧噪のマンハッタンから、印象的な旧い橋を通過し、ロングアイランドのカントリーサイドまで行くと、大きくて素晴らしい邸宅が連なるエリアです。当時のロングアイランドは、まるで映画『華麗なるギャツビー』の世界に紛れ込んだような雰囲気があり、すっかり優雅な感覚に包まれてしまいました。ロングアイランドに邸宅を持っているような人たちのなかには、フランク ミュラーのコレクターも多く、4年間ほど、展示会を続けていた頃です」
ロングアイランドは、アメリカ東館岸、ニューヨーク州にあり、大西洋に浮かぶ大きな島です。独特の華やかさとエレガントな雰囲気に溢れているのは、トンネルやフェリー、そして、何本かの橋によって、ニューヨークの中心部と直結されているためではないでしょうか。アメリカを代表する著名な作家のひとり、F スコット フィッツジェラルドが、小説『グレート ギャツビー』の重要な舞台としてロングアイランドを選び、華麗で豪華絢爛な饗宴を繰り広げる世界を書き、後に『華麗なるギャツビー』というタイトルで映画化されたことは、あまりにも有名です。
「“ロングアイランド”コレクションは、1920年代のニューヨークがテーマです。当時、アメリカ経済は大きな繁栄を遂げた頃で、裕福なアメリア人は、マンハッタンに住居を所有し、週末になるとロングアイランドへ出かけ、そこの別荘で過ごすことが多かったと聞きました」
大きくて旧い橋、そして、優雅な雰囲気に包まれた島の別荘に巡り会ったおかげで、腕時計のインスピレーションが浮かんだのです。それは、20世紀初頭、1910年から1925年ぐらいのアールデコ様式であり、湾曲させたレクタンギュラーのフォルムで、小振りのサイズで、文字盤全体の雰囲気はクラシカルで、というインスピレーションだったのです。
「閃いたアイディアは、視覚的なイメージでストックしておきます。頭のなかにイメージとして獲得できていたものをスケッチにし、アウトプットするためには、あまり時間は掛かりません。ただ、実際に具体化していくときには、いろいろ細部にも拘りますから、時間が掛かります。ベイシックな1号機が誕生したのは、思いついてから、およそ1年後でした」
“ロングアイランド”のように、発想が気に入り、積極的に具体化したいと考えた場合には、インスピレーションを大切にしたモデルにします。そのため、フランク ミュラーには、スタッフ、素材、道具、工作機械などが完璧に揃っている、フランク ミュラー ウォッチランドがあります。
時を知り尽くし、数々の複雑な機構を発想し、現代の天才時計師と讃えられるフランク ミュラー。自らデザインウォッチと呼ぶ、時を遊び尽くすモデルからも、“時の哲学”という独自の境地を堪能させてくれます。
フランク ミュラーは、2021年の新作を発表。
いち早く、フランク ミュラー愛好家の皆さまには、ジュネーブ近郊、フランク ミュラー ウォッチランドから、オンラインにて最新情報をお届けします。
>>> Click bellow for the information of new collection 2021